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ダイヤモンドの「キューレット」の事実

2017.10.18

ダイヤモンド ダイヤモンドとは? ダイヤモンドの特性

「ダイヤモンドのキューレットは何であるの?」
「キューレットはあったほうがいい?」
このような疑問をお持ちではありませんか?

「キューレット」とは、ダイヤモンド下部の尖った部分の
ことを示し、ほとんどすべてのダイヤモンドにキューレットは
ございます。

普段はスポットライトのあびることのないダイヤモンドの一部分ですが、
ダイヤモンドの輝きや保護において実は重要な役割を持っています。

今回はそんなダイヤモンドのキューレットについて、その評価と
ダイヤモンドに与える影響について解説いたします。

キューレットとはダイヤモンドの尖った部分

ダイヤモンド キューレット

ダイヤモンド底部の尖った先端のことを「キューレット」と呼びます。

そのサイズはGIA(米国宝石学会)等の鑑定機関により厳格に評価されており、
ダイヤモンド自体のカットランクに影響を及ぼすのです。

最も一般的なサイズは「None」。

キューレットは小さく尖っているので、破損の可能性がつきものです。
そのため、ダイヤモンドをジュエリーにセットする際には、
充分にキューレットに気をつけながら作業するのが基本となります。

ダイヤモンドが欠けるのを防ぐキューレット

ダイヤモンド キューレット 欠ける

出典:https://www.gia.edu

「キューレット」には、内部の光を逃がさないという働き
だけではなく、ダイヤモンドを保護するという働きもあります。
キューレットがない場合、何かの拍子にダイヤモンドの底部が
当たったりするとダイヤモンドが欠ける可能性があるのです。

キューレットの有無については様々な議論が繰り広げられており、
ダイヤモンドには絶対に付けるべきだと主張する方もいれば、
付ける必要はないという方もいます。

キューレットは絶対に必要とは断言できませんが、ダイヤモンドを
保護するためにも小さなキューレット付きのダイヤモンドを選ぶと
いいかもしれません。

もしキューレットがないダイヤモンドを選ぶ場合は、ダイヤモンドを
取り外す際、細心の注意を払って取り扱うようにしてください。

キューレットの評価方法と7つのランク

ダイヤモンド鑑定士

キューレットは目視や拡大鏡で10倍に拡大して評価されます。
ダイヤモンドの上側から観てキューレットの大きさを確認し、
横から観てキューレットの角度を決定するのです。

鋭い角度のキューレットは、”Noneと評価されますが、
余分なファセットがあるとみなされることもあります。

ダイヤモンドの直径に対するキューレットの割合は
パーセンテージで表示され、数字はおよそ1.5%から15%の間。

キューレットのランクは”None”から”Extremely Large”までの7段階です。
以下が各ランクの特徴です。

None(なし)

最高評価のカット「エクセレント」ランクを得るためには、
キューレットが”None”もしくは”Very Small”となる必要があります。
“None”にはキューレットファセットがなく、ダイヤモンド内部の
光が外へ漏れれることはありません。

Very Small (とても小さい)

キューレットがほんのわずかにありますが、肉眼でその大きさを
確認することは不可能です。外に漏れだす光の量は最小限で、
ダイヤモンドの輝きに影響は与えません。

Small(小さい、1.5%)

キューレットが少しあり、拡大鏡で大きさを確認できます。
ほんの少しだけ光が外へ漏れてしまいますが、それでも
ダイヤモンドの輝きに大きな影響を与えることはありません。

”None”、”Very Small”、”Small”のキューレットが理想的ですが、
どれも小さくもろいので、破損しないように気を付けて扱いましょう。

Medium (中間、3%)

拡大鏡で見るとキューレットの大きさが目立ち、肉眼でも
そのサイズを確認できます。ある程度の光がキューレットから
漏れてしまうので、ダイヤモンドの輝きが少し弱まります。

Slightly Large(少し大きい、5%)

肉眼でキューレットの大きさを確認できます。キューレットから
漏れる光の量は多く、ダイヤモンドの見た目に大きな影響を与えます。

Large(大きい、7%)

キューレットの大きさが大きいため、たくさんの光が
外へ漏れてしまいます。そのため、ダイヤモンドの輝きが
損なわれるでしょう。以前はこのサイズのキューレットを
持つダイヤモンドがとても多くありました。

Very Large(とても 大きい、11%)

キューレットの大きさがかなり目立ちます。ブリリアンカットや
現代風のカットが施されているダイヤモンドには、このサイズの
キューレットは見られません。

Extremely Large(極端に大きい、15%)

サイズとしては最も大きなキューレット。肉眼で見ても、その大きさが
目立ちます。外へ漏れだす光の量は大きく、ダイヤモンドの輝きは
弱まってしまいます。

キューレットはダイヤモンドの輝きに影響を与える

大きすぎるダイヤモンドのキューレット アンティークリング

ダイヤモンドが美しく光り輝く理由は、その高い「屈折率」にあります。
ダイヤモンドの外から内部へと入った光が分散し、複雑に反射すること
により、その光は「きらめき(輝き)」として外に放射されるのです。

しかし、内部へと入った光が反射することなく、そのまま下へ漏れて
しまってはダイヤモンドの輝きが弱まりますよね。
光が漏れるのを防ぐ働きをしているのが、「キューレット」です。

キューレットがあるおかげで、ダイヤモンドの下から漏れる光の量を
最小限に抑えることができています。

つまり、まばゆいばかりの輝きを放つダイヤモンドには、最適な
サイズのキューレットが必須というわけです。

大きすぎるキューレットは、ダイヤモンドの上部から肉眼でも見ても
かなり目立ち、多くの光を逃がして光をとどめるという役割を果たせません。
その為、大きなサイズのキューレットはおすすめできません。

昔は大きなサイズのキューレットのダイヤモンドがたくさんありました。
アンティーク風のダイヤモンドの購入を検討しているならば、
キューレットが大きなものでもいいでしょう。

しかし、基本的にはダイヤモンドの輝きときらめきを高める
“None”もしくは”Very Small”のキューレットをおすすめします。

まとめ

ダイヤモンドルース0.207ct_e_vs2_exhc

「キューレット」には、ダイヤモンドを傷から守る、ダイヤモンドの輝きを
高めるという大切な働きがありました。

大きなサイズのキューレットだと漏れる光の量が多くなり、ダイヤモンドの
輝きが弱まります。
そのため、おすすめは”Very Small”もしくは”Small”サイズのキューレットです。

小さなサイズのキューレットほど素晴らしいですが、破損のリスクも高まります
ので扱いには十分気を付けるようお願い致します。

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