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ダイヤモンドのカットの評価に影響を与えるシンメトリー(対称性)とは?

2017.11.30

ダイヤの「4C」について 「4C」カット

採掘されたダイヤモンドは、熟練の職人によってその価値を
最大限高めるよう注意深く形を整えカットしていきます。

その際に、ダイヤモンドの見た目に大きな問題を残さないよう
内包物をできるだけ取り除くようにカットすることで、
内部の対称性(シンメトリー)が損なわれることがあるのです。

その対称性(シンメトリー)はカットの評価に関わり、対称性が
高いダイヤモンドほど輝きが増します。また、その評価によっては
値段が5~10%もあがることがあります。

今回は普段スポットライトの当たることの少ないダイヤモンドの
シンメトリー
について解説いたします。

対称にカットされたダイヤモンドほど美しく輝く

目次

ダイヤモンドの価値を決めるのが4C(カット・カラット・カラー
・クラリティ)。それぞれの評価が高いほど、ダイヤモンドの価値は
高くなります。

今回解説するシンメトリーは、その4Cの「カット」の評価に
関わってきます。

「カット」はダイヤモンドの輝きに影響を与えます。
ダイヤモンドは光の屈折率が高く、カットの評価が高い
ダイヤモンドほど、光の放射率が高くなり、輝きが増すのです。

ダイヤモンドカットの総合評価

「カット」の評価は、主に「プロポーション(形)」と
「フィニッシュ(仕上げ)」の2つで決まります。

そして、「フィニッシュ」の評価は「シンメトリー(対称性)」と
「ポリッシュ(表面の研磨状態)」で決まるのです。

評価の良いシンメトリーとは、他の評価要因を高いレベルで保ちつつ、
自身の評価も高く保ちます。

逆に、評価の低いシンメトリーは、ダイヤモンドの輝きを弱めます。

シンメトリーは、ダイヤモンドの見た目に少なからず影響を
与えるのです。そのため、美しく輝くダイヤモンドを選ぶためにも、
シンメトリーの知識を身に着けておくといいでしょう。

ダイヤモンドシンメトリーの4段階の評価

輝きに影響を与えるシンメトリーは、GIA(米国宝石学会)等の
鑑定機関によって厳格に評価されます。

評価方法は、ダイヤモンドを10倍の倍率で見たときのシンメトリーの
ゆがみや可視性に基づきます。

以下がシンメトリーの評価と特徴です。

ダイヤモンドシンメトリー(対称性)エクセレントexcellent

Excellent

全てのファセット面の大きさや配置が完璧で、キューレット、ガードル、
テーブルなどが完全に整っているダイヤモンドには、”Excellent”という
最高の評価が与えられます。

ダイヤモンドシンメトリー(対称性)ベリーグッドVerygood

Very Good

ファセット面の大きさと対称性が”ほぼ”完璧なシンメトリーには、
Very Goodの評価が与えられます。10倍の倍率で見たときに、
1つもしくは2つ不十分な要素が見つかります。

カットの評価とダイヤモンドの輝きに与える影響は非常に小さく、
カットランクがExcellentになる可能性は十分にあります。

ダイヤモンドシンメトリー(対称性)グッドGood

Good

ファセットの大きさと位置の対称性が”わずか”に不適切なものが
Goodです。Goodランクは、ダイヤモンドの輝きに少しばかり
影響を与えてしまいます。
また、カットの評価は良くてもVery Goodどまりです。

ダイヤモンドシンメトリー(対称性)フェアFair
ダイヤモンドシンメトリー(対称性)プアPoor

Fair & Poor

ファセットの大きさと位置の対称性の不完全さが目立ちます。
ダイヤモンドの輝きに悪影響を及ぼし、カットの評価は
最高でもGoodでしょう。

対称性が低いと、ダイヤモンド内部で光が適切に反射せず、
放射される光(=輝き)が弱まってしまいます。

Excellentは5~10%値段が高くなることも

ダイヤモンド選びをする際には、シンメトリーはそれほど
重要視される検討要素ではありません。シンメトリーよりも
カットの方が重要です。

しかし、シンメトリーの評価によってはダイヤモンドの価格が
かわることもあります。

一般的にシンメトリーとポリッシュがExcellentのダイヤモンドは
Very GoodやGoodと比べて、5~10%程値段が高くなる傾向にあります。

評価がExcellentのシンメトリーはプレミアム価格となります。
しかし、Very GoodもしくはGoodでも品質的には素晴らしく、
見た目の違いを区別することは困難でしょう。

だからこそ、予算を抑えたい方にはVery GoodやGoodを購入するのが
良いかもしれません。

シンメトリーの特徴

アウト オブ ラウンド(OR:Out-of-round girdle outline)

ガードルの円周が完全な正円ではない、もしくは一部分が直線になっている

テーブルがセンターでない(T/oc:Table off-center)

テーブルがクラウンの中心にない

キューレット オフ センター(C/oc:Culet off-center)

キューレットがクラウンの中心にない

テーブル/キューレットのアライメント(T/C)

テーブルとキューレットが異なる方向にずれている

ミスアライメント(Aln)

クラウンファセットとパビリオンファセットの相対する配置のずれ

クラウンの角度のばらつき(CV)

不均等なクラウンの角度

クラウンの高さのばらつき(CHV)

ガードル面がテーブルと平行ではないため、クラウンの高さが不均一になる

エキストラファセット(EF)

シンメトリーを考慮せずに配置され、余計なファセット

ゆがんだファセット(Fac)

形状の崩れたファセット。同じタイプの2つのファセット間における形あるいはサイズの違い、あるいはあるファセットのゆがみ。

ゆがんだベゼルファセット(MB)

2つのベゼルファセット間における形あるいはサイズの違い、あるいはファセットのゆがみ。

ゆがんだメインファセット(MM)

2つのメインファセット間における形あるいはサイズの違い、あるいはファセットのゆがみ。

ゆがんだスターファセット(MS)

2つのスターファセット間における形あるいはサイズの違い、あるいはファセットのゆがみ。

ガードルの厚さのばらつき(GTV:Girdle thickness variation)

ガードルの厚さのばらつき

ロワーハーフの角度のばらつき(LHV)

不均等なロワーハーフファセットの角度

ロワーハーフパーセンテージのばらつき(LPV)

ロワーハーフファセットの長さの割合のばらつき

ミッシングファセット(MF)

非対称でファセットが欠如している状態

ナチュラル(N)

研磨されたダイヤモンドに残っている、元々のダイヤモンド原石の表面の一部

パビリオンの深さのばらつき(PDV)

不均等なパビリオンの深さ

パビリオンの角度のばらつき(PV)

不均等なパビリオンの角度

ノンポインティング(Ptg)

ポイントがあっていない。ショートファセット(short facet:適正な場所まで達していない完全に形成されたファセット)、あるいはオープンファセット(open facet:先端の形成が不十分なファセット)によって、隣接したファセットが適正な位置で繋がっていない状態。

短いベゼルファセット(SB)

ベゼル部分のしかるべき場所まで達していない完全に形成されたファセット

短いメインファセット(SM)

メイン部分のしかるべき場所まで達していない完全に形成されたファセット

オープンベゼルファセット(OB)

ベゼル部分の先端の形成が不十分なファセット

オープンメインファセット(OM)

メイン部分の先端の形成が不十分なファセット

スターのパーセンテージのばらつき(SPV)

不均等なスターファセットの長さの割合

スターの角度のばらつき(SV)

不均等なスターファセットの角度

テーブルが八角計でない(T/oct)

テーブルが正八角形ではない

テーブルエッジのばらつき(TEV)

ラウンドブリリアントカットのテーブルが正八角形ではないため、8つのテーブルエッジに違いが生じる

アッパーハーフの角度のばらつき(UHV)

不均等なアッパーハーフファセットの角度

不均等な輪郭(UO)

非対称な形の輪郭;ナチュラルやエキストラファセット、あるいはラウンドダイヤモンドでの不均一なガードルファセットなどによる、凹凸や平らな部分のことも指す

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